PHILOSOPHY

編集思考を極める

デジタルでもアナログでも、いま皆さんの目の前にあるコンテンツは、必ず何かを伝えるために存在しているのだと思います。ただし、誰かに何かを伝えるということはそう簡単な話ではなく、現実はうまく「伝わらないこと」も多いです。例えば、いくら熱い想いがあっても、それを表現する言葉が足りなければあまり意味がありません。届ける相手を間違えれば逆効果を生むこともあるでしょう。届ける方法が適切でない場合は相手に見つけてもらえない可能性だってありえます。

僕は現在イギリスと日本を拠点にコンテンツマーケティング業を営んでいます。コンテンツマーケティングと言ってもピンとこないかもしれないですが、具体的には上に挙げたような「コンテンツの不幸」が起こらないようにすることが仕事。そして、これを成功に導くには一にも二にも「編集力」が必要だと考えています。「編集」と聞くと、雑誌の編集とか、テレビ番組の編集だとか、そういうものをイメージする方が多いかもしれません。狭義にはそうなのですが、僕はもう少しその意味を広げて捉えたいと思っています。どういうことか。僕の定義する「編集」の仕事とは、すなわち、「適切な表現方法で、伝えたい人に、伝えたいことをちゃんと届ける」ということにほかなりません。コンテンツが溢れその流通手段も多岐にわたる現代だからこそ、こういう役割が絶対に必要だ、と信じて生きています。

これまで、放送局、出版社、ウェブとメディア畑を横断しながらキャリアを積んできました。いずれのメディアでも、コンテンツは「編集」作業を経て世に出ていきます。媒体の特性により独自の工程が加わることはありますが、やらなければいけない芯の部分は共通しています。それが今までの経験から得た僕の実感であり、これを「編集」の本質であるとも捉えています。

では、あらゆる媒体に共通する「編集」の本質とはなんでしょうか。僕は、ここに4つのステップを挙げたいと思います。「集める、企てる、作る、届ける」です。

 

集める コンテンツを作る前に、必要な情報を集めます。何を伝えるのか、誰に届けるのか、どういう手段を使いたいか。ビジネスだと、これに各種データを揃える必要があります(視聴率、部数、PV、検索ボリューム、SNSのリーチ数など)。

企てる 集めた素材をもとに最適な表現を模索します。企画時にはどのチャネルで届けるかを考えることも重要です。ウェブの場合、検索向けの記事なのか、あるいはSNS向けの記事なのかで当然やるべきことは変わってきます。余談ですが、放送局の場合、企画会議には相当時間をかけていました。コンテンツ制作の肝となるプロセスです。

作る 誰が書くのか、誰が演出して誰が演じるのか、などこの段階でコンテンツの成否は決まります。しっかりと準備をし、最高のパフォーマンスが出るように、丁寧に作業していきます。電波でも紙でもウェブでも、「伝えたいこと」がしっかりと伝わるように最適な表現を模索しながら制作していくことが求められます。(あえて奇を衒う編集もあるとは思いますが、個人的には「できる限り簡単にわかりやすく」が信条です)

届ける 今やコンテンツを作るところで終わらないのが「編集者」だと考えます。デリバリー戦略の策定と実行も重要な役割のひとつ。適切な場所で、適切なメッセージを添えてコンテンツを発信することが求められます。ウェブの世界で言うと、同じメッセージでもFacebookに載せるか、Twitterに載せるかで投稿文は変わってきます。そして、発信後もどういう人がどれだけ接触したかをチェックしなければなりません。ここで得たフィードバックは次のコンテンツの企画を立てる際の参考になります。つまり、最初の「集める」に戻るわけです。

 

以上が、僕が大切にしている「編集」の基本とも言える4つのステップです。コンテンツマーケティングの「マーケティング」だけに焦点を当てると、すごくロジカルで数字だけを基準にグルグルとトライ&エラーを高速で繰り返していく作業のように思われるかもしれません。それが間違った捉え方だとは全く思わないのですが、コンテンツが読者(ユーザー、消費者)に「伝わる」ことを目指している限り、僕自身は「編集」メソッドを取り入れた上でひとつひとつのプロジェクトにあたることが肝要だと考えています。編集者の思考を存分に用いたコンテンツマーケティング。そんな方法論を持っていろんな人とお仕事ができればこれに勝るよろこびはありません。

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